「寝る時間がもったい」って思っている人に伝えたい!
ぼくたちは、睡眠をあまりにも知らなさすぎた。
「寝る時間がもったいない」って思っていることが、もったいない。
時間を有効に使いたければ、正しく睡眠をきっちりとることが大事!!
本日の本は、「睡眠」の概念が変わる良書。
「睡眠の認識が変われば、人生が変わる」と断言できるくらい、睡眠はすごかった!
気になった部分のページの角を折るのだが、今回の本もたくさんチェック部分があった↓
この記事の目次
本日の読書「睡眠こそ最強の解決策である」マシュー・ウォーカー(著)
「睡眠こそ最強の解決策である」マシュー・ウォーカー(著)桜田直美(訳)
睡眠は心身の健康を保つ最強の薬(最強の健康問題解決法)
20年以上前、私は可能なかぎりあらゆる書物を読んだ。信じられないような事実が明らかになってきた。人はなぜ眠るのか、その理由がまだ解明されていいなかったのだ。
「睡眠」について解明されだしたのは、ごく最近の話。
睡眠の重要性について、ぼくたちの知識がないのも、よくわかった。
最新の研究によって、食事、運動、睡眠のうち、健康のためにもっとも大切なのは、睡眠であることがわかってきた。
睡眠は心身の健康を保つ最強の薬だ。
健康のためにもっとも大切なのは、「睡眠」であるにも関わらず、いかに「睡眠」を知らないかというおそろしさ。
レム睡眠とノンレム睡眠
- 覚醒時は外側から情報を受け取り、ノンレム睡眠時は受け取った情報をふり返り、そしてレム睡眠時は整理された情報を統合している。
- レム睡眠で情報を整理することで、生の素材が互いにつながり、さらに保存されている過去の経験ともつながる。その結果、さらに正確な外側の姿を構築し、同時に独創的なひらめきや問題解決の作業も行っているのだ。d
レム睡眠とノンレム睡眠って、「浅い眠りと深い眠りが1時間半ごとの周期でおこっている」ってことしか知らなかったが、そんな単純なモノではなかった。
夢を見ているとき、身体はマヒ状態になる
レム睡眠=夢を見る段階が始まる数秒前になると、身体は完全に麻痺した状態になり、それがレム睡眠の終わりまでずっと続くのだ。このとき、全体の筋肉はまったく力が入っていない。
しかし、安心してもらいたい。動かなくなるのは自分の意思で動かす随意筋だけだ。意思とは関係なく動く不随意筋には力が入っているので、呼吸や心臓の鼓動が止まることはない。しかし、他の筋肉は完全に弛緩
身体が動かないおかげで、夢の内容を実際に行動に移さずにすむ
レム睡眠は、身体は完全に麻痺状態というのがおもしろい。
この論理からいうと、寝返りはノンレム睡眠の時に起こる。
レム睡眠は、「社会を構成する」役割と「創造性を促進する」役割がある。人間が他の類人猿や他の動物と大きく違うのは、まさにこの点だ。
レム睡眠は脳の情動回路に絶妙な調整を加える。つまり、社会情動的な情報(顔の表情、身体のジェスチャー、群集行動など)を読み取る力がある。
レム睡眠は、感情を調整してくれる。つまり、レム睡眠を十分にとることによって、日々の感情をコントロールしてくれている。
レム睡眠の間に起こる記憶の衝突から、創造性の火花が生まれる。それまで関連のなかった情報の間に、新しいつながりがつくられるからだ。睡眠サイクルをくり返しながら、レム睡眠は脳内に広大な情報のネットワークをつくっていく。
クリエイティブな思考は、レム睡眠の影響を受ける。
レム睡眠を有効につかっていきたい。
睡眠が「学習」にあたえる影響
よく寝たほうがテストの成績がいい
学習してから眠ることで、新しい記憶が脳に定着する。
深いノンレム睡眠の時間が長いほど、翌朝のテストの成績がいい。
学生の時に知っておきたかった。
「睡眠」について学ぶと「学習のしかた」まで変わってくる。
毎晩寝ている間に、脳の中では記憶の引っ越しが行われている
寝る前の記憶は、短期の記憶を保管する海馬から引き出されている。海馬は新しい情報を保管するのに最適な場所だ。しかし一晩眠ると、状況はがらりと変わる。
記憶を引き出す場所が、脳のてっぺんに位置する大脳新皮質に移動しているのだ。ここは長期の記憶保管庫であり、事実に基づく情報はここに保管される。
新しい情報は、まずは脳の「海馬」というところの保存される。ここは短期記憶保管所だ。
睡眠によって、この「海馬」にたまった情報が「大脳新皮質」という長期記憶保管所に移動されるということ。
睡眠をとることによって、脳がリフレッシュされ、脳の記憶容量を空ける効果がある。
睡眠は運動スキルを高める
スキルの練習をやめてからも、脳は独自に練習を続けている。そして、この脳の練習は、寝ている間しか行われない。練習が完璧をつくるのではなく、練習し、その後で一晩ぐっすり眠ることが完璧をつくる。
脳は睡眠の力を借りて、その動きを自動化させていたということ
勉強だけでなく、運動に関しても「睡眠」は威力を発する。
スキルの練習したあとの「睡眠」で、脳の中でスキル(動き)が習得できるように「練習」がおこなわれている。
スキルの練習をしているときはできていなくても、「一晩寝るとできるようになっている」のは、このメカニズムだ。
運動も「睡眠」を上手に使うことがスキルアップにつながる。
学習したその日に寝ないと記憶は脳に定着しない
睡眠は新しい記憶を脳に定着させるうえで、とても大きな役割を果たしている。
何かを新しく学習したその日の夜に眠らないと、記憶を刻みつけるチャンスを失ってしまう。その後でどんなにたくさん寝ても、最初の睡眠を取り戻すことはできない。
深いノンレム睡眠の時間が長いほど、翌朝のテストの成績がいい。
覚えたいモノがある時は、覚えたその日にじっくり睡眠をとることが大事。これは「学習」するうえでの大きなヒント。
せっかく覚えたのに、徹夜したり寝不足だと記憶の定着が悪くなり、もったいない。
受験生にぜひ知ってもらいたい!
寝不足の状態が1週間続いた後で、回復のための長時間睡眠を3日続けても(つまり、週末の寝だめよりも長い)、脳の働きは通常のレベルまで回復しない。
「寝だめ」に関しては、疑問に思っていたのでスッキリした。
週末にたくさん寝ると、スッキリした気にはなるのだが、気になっただけで通常レベルまで回復していないことに驚きだ。
睡眠不足による弊害
睡眠不足は、あらゆることに悪影響を及ぼしている。
知らなかったからよかったが、知ってしまった今、寝ずにはおられない。
睡眠不足は真っ先に集中力を奪う
真っ先に影響を受ける脳の働きは、「集中力」
睡眠不足のもっとも大きな害が、「睡眠不足のときは睡眠不足に気づかない」こと。能力の低下を自覚できない。
「睡眠不足に気がついていない」ことは、よくあることだと思う。
睡眠不足でもどうにかなるって思ってしまい、そのときの能力低下は、確かに重要視していない。
睡眠不足は感情を暴走させてしまう。
睡眠不足の状態になると、前頭前皮質(感情のブレーキ)と扁桃体(感情のアクセル)の強いつながりがなくなってしまう。原始の感情を抑制できない状態だ。感情のアクセル全開で、ブレーキはほとんど効いていない。
十分に眠ることで理性を確保しないと、感情が暴走してしまうのだ。
これも読んで「確かにそうだ」と頷いた。
寝不足の時はイライラしやすい。
睡眠不足が寿命を縮める
睡眠不足が食欲を増し、代謝を低下させる
睡眠時間が少ないほど、食欲は増す。それに加えて、睡眠不足の身体は、食べすぎで摂取した余分なカロリーを効率よく管理することができない。そのため、血液中の糖分が増えることになる。
睡眠をとることが、脳や身体をリフレッシュさせることならば、当然、睡眠不足は身体をむしばめていく。
睡眠不足とガン
睡眠が6時間以下の人は、7時間以上の人に比べ、ガンにかかる確率が40%上昇する。
睡眠不足で免疫がさがれば、ガンにかかる確率もあがってしまう。
世界保健機構(WHO)もついに動き、夜勤のある仕事には「発ガンの危険がある」と正式に認めた。
これはネットで調べてみると、確かにデータはあった。
夜勤の仕事に「健康のリスク」があるのならば、仕事のありかた自体を考えなさないと、知らないところで「不幸」を生み出すことになってしまう。
アルコールは眠りを妨げる
睡眠薬と並び、アルコールが睡眠を助けるというのは大いなる誤解だ。寝る前のアルコールで寝つきがよくなる、さらにはぐっすり眠れるとまで信じている人はたくさんいる。しかし、どちらも大きな間違いだ。
「アルコールを飲むとよく寝られる」って迷信を聞くことが多いが、これも否定できる。
アルコールは、あなたから覚醒の状態を奪うが、それは自然な眠りとは違う。アルコールを摂取して眠った人の脳波は、自然な睡眠の脳はと同じではない。むしろ、軽い麻酔をかけられた状態に近い。
アルコールは他にも2つの方法で自然な睡眠を阻害する。
- アルコールは睡眠を断片的にする。
- アルコールはもっとも強力なレム睡眠抑圧因子のひとつ
アルコールは、いかに睡眠にとって阻害するものかということがわかった。
睡眠を断片的にして、深い眠りをすることができずに、レム睡眠も阻害される。
睡眠薬は、ただ脳の外側だけを眠らせているにすぎない。
「睡眠薬」で寝ることは、求めている「睡眠」とは違う。
「昼寝」に効果はあるのか?
長時間にわたって睡眠を奪われた状態で、一時的になら集中力を回復することはできる。
しかし、昼寝もカフェインも、学習、記憶、情緒の不安定、複雑な論理的思考、意思決定といった高度な脳の昨日を回復することはできない。
昼寝は、集中力等をアップさせるのに効果があると思っていただけに、残念だ。
一時的な回復程度しか効力がない、
夜寝なくても、昼寝でカバーすればよいと思っていたが、そうではなかった。
夢にはどんな意味があるのか
MRIのおかげで、夢の性質をより深く理解し、初歩的な解読ならできるようになった。
科学的に夢は分析できなかったので、フロイトの夢分析を否定するのにも、今までは根拠がなかったが、MRIによって夢の分析の扉は開かれたようだ。
「夢」について、長年研究が進んでなかったのもよくわかる。
覚醒時に感じた大きな感情や心配事のうち、35〜55%は、その日の夢に、はっきりとそれとわかる形で登場していた。
夢に登場するのは、覚醒時の出来事ではなく、感情だというのがポイント。
睡眠はネガティブな感情を和らげる
レム睡眠中に脳内の化学物質が劇的に変化することだ。ノルアドレナリンと呼ばれるストレスホルモンが、脳内から完全に一掃される。実際、1日24時間の中で、この不安を誘発するホルモンが完全に脳内からなくなるのは、レム睡眠の間だけだ。
レム睡眠の夢のおかげで、ネガティブな記憶にまつわる激しい感情を和らげることができる。
「眠るとイヤなことを忘れることができる」というけれど、ある意味正しかった。
感想のまとめ「睡眠こそ最強の解決策である」
この本で学んだ睡眠について
上記についての根拠が書かれているので、ぼくはそれが勉強になることばかり。
「睡眠」に関しては、まだ科学的な研究がはじまったばかりなので、わかっていないことも多く、結論までたどり着いていないこともある。
著者は、科学的にわかっていること、実験結果、著者の推測など、ふまえて書かれているので「睡眠」についての考え方が、勉強になる。
「睡眠」のたいせつさが、よくわかった本だ。
「睡眠こそ最強の解決策である」マシュー・ウォーカー(著)
読みやすさ ★★★☆☆
学び ★★★★★
本の内容はカンタンではないけれど、「睡眠」「健康」「学ぶこと」に関して、興味がある人は必読本!!
オススメ度 ★★★★★
「睡眠」に対する意識が変わる!!もっと早く読みたかった。世の中の人が「睡眠」について学べば、世の中はしあわせになる!!