ファンベースは、あなたが思っているより、たぶん、ずっと重要だ。
ファンベースファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)、中長期的に売上や価値を上げていく考え方だ。
ファンが大切であり、ファンベースが大切なことは知っている。
この本を読んでわかった。
見出しの通り、ファンベースは、ぼくが思っているずっと重要だった。
本のページをたくさん折りまくって、メモ書きをたくさんしてしまうくらいの本に出会った。
今回も本が良すぎて書評ではなく、じぶんのための読書メモになってしまった。
この記事の目次
本日の読書「ファンベース」
ファンベース ー支持され、愛され、長く売れ続けるために 佐藤尚之(著)
少人数のファンが売上の大半を支えている
少人数のファンが売上の大半を支えている。
つまり、今いるファンを大切にして彼らのライフタイムバリューを上げていくことは、収益の安定・成長に直結する。
ライフタイムバリュー
ライフタイムバリューとは、顧客生涯価値のこと。一人の顧客がライフタイムを通じて企業にもたらすトータルなバリューのことである。
企業ができる最大の社会貢献
- 企業の本業とは「生活者の課題解決」であり「笑顔を作ること」なのだ。
そして、それを日々実行している企業活動は、それ自体が「社会貢献」だ。- 商品が長く安定して売れ続けることは、企業ができる「最大の社会貢献」なのである。
- 自分たちが愛している商品の価値を支持してくれる「ファン」を喜ばすことほど、楽しい仕事が他にあるだろうか。
商品が長く売れ続けることが、最大の社会貢献って言葉が、ビジネスに対しての認識を改めさせられる。
自分たちの大切にしている商品を、いっしょに大切にしてくれる「ファン」の人に喜んでいただけることが仕事という考えは、大切にしておきたい。
ビジネスをしていると、つい目的と手段が入れ替わってしまい、売上を追うことが目的になってしまっている時がある。
そういうときは、うまくいかない。
ビジネスに対して、自分なりにおもっていることを言語化していくことに、役立った。
中長期ファンベース施策につなげていく
- 短期キャンペーン施策や単発施策と、中長期ファンベース施策をつなげて資産化していく
- 短期・単発施策と中長期ファンベース施策は、それをつなげることによって「相乗効果」を生み出す。
- 必要な短期・単発施策の効果をより上げるための土台(ベース)を普段から作っておくのがファンベースなのである。
お店の販促を行うときは、目先の利益にばかり意識がいってしまい、短期の販促を行ってしまうことが多い。
長い目で考えた時、その販促は意味がなかったり、マイナスで終わることが多い。
焼け石に水である。
同じ販促費をかけるのであれば、一時的で終わるものではなく、資産のように積み重ねていくことができれば、たとえ一回の販促がマイナスで終わっても、長期でみた時にはプラスになる販促ができるのであれば、長く商売をしていくうえで、ありがたい販促はない。
「販促が、資産となる」
この考え方は、大きな学びだ。
情報がありふれた今の時代、もし確実に商品の情報を受け取ってくれる人たちがいるとするならば、それは「その商品にすでに興味関心がある人」だ。ファンである。
「売上をあげること=新規顧客獲得」と単純に考え、施策をうってしまうと、今の時代ますます難しくなっている。
伝えたい情報が伝わりやすいのは、まずはファンであることをいつも意識しておきたい。
ファンが新たなファンを作ってくれる。
- ファンが新たなファンを作ってくれる。
- 友人のオススメほど強いものはない。
- 価値観が近い人が愛用しているモノは自分も愛用する可能性が高
「ファンベース」の思考がないと、「ファンがファンを作ってくれる」という発想がない。
何も考えていないと、作り手側発信のみで、ファンを作ろうとしてしまう。
今は情報がありふれていて、何が本当で何がウソなのか、わからない。
友人のオススメほど強力なモノはない。
- ファンは周りにいる価値観が近い類友に、自分の好きな商品をオススメしたくなるものなのだ。「ねえ、この商品、キミにぴったりだと思うよ!」とオススメしたがるのである。そしてその影響力は絶大だ。
- ファンが自分の言葉でオススメをするきっかけを作る。言いたくなるような状況を作る。言いやすくなるような環境を作る。
今は、個人がTwitterやインスタなどのSNSで気軽に情報を発信する時代になった。
ファンの人がオススメしやすいように、仕組みをつくることが大事。
ファンベース施策で重要な施策
ファンベース施策とは、あなたの店の常連さんを大切にし、彼らのLTV(ライフタイムバリュー)を上げていくこと。そして、常連さんを新たに作り少しずつ増やしていくこと。一番重要な施策→約20%前後いるはずの彼らに常連さんであり続けてもらうこと。そして彼らの関係性を深め、もっと来てもらうこと(LTVを上げること)。次に重要な施策→より深い関係性になった常連さんの中からごく少数を「超常連さん」にし、彼ら彼女らを大切にしてLTVを上げていくこと。
お客様がどの段階のお客様なのかによって、アプローチの仕方もかわってくる。
居酒屋で、これをマニュアル化して実践しているお店がある。
新規客なのか、リピーターさんなのか、超常連さんなのかによって、接客の仕方を変えている。この本を読んで納得。
この考え方は、いろいろ応用できる。
考えるだけでワクワクしてしまう。
ファンの支持を強くする3つのアプローチ
①共感を強くする
②愛着を強くする
③信頼を強くする
ここの章に関しては、メモとりまくりだったので、このブログには書ききれない。それくらい勉強になった。
下記はその中でも、一部にしか過ぎない。
ぜひ、本書を読んでもらいたい。
①共感を強くする
- ファンの言葉を傾聴し、ファーカスする
- ファンであることに自信を持ってもらう
- ファンを喜ばせる。新規顧客より優先する
企業本位で他社動向や市場動向などを見て「このポイントが好かれるだろう」と発想することが多く、ファン本位で「ファンたちが愛しているポイント」を見る習慣がまだないことが多い。
これは本当に陥りやすいことだ。
つい作り手側の視点からすべてを見てしまい、わかったつもりで進めてしまう。
お客様に話をきいたり、アンケートをとると、いつも意外な発見がある。
じぶんたちが思っていたことと、お客様が感じていたことが違うことってよくある。
ファン本位のファン視点を忘れずに意識したい。
②愛着を強くする
- 商品にストーリーやドラマをまとわせる
- ファンとの接点を大切にし、改善する
- ファンが参加できる場を増やし、活気づける
- ファン・ミーティングは、ファン同士が「愛している理由」を発見しあう場
最近、ファン・ミーティングなどのオフ会が開催されるのをよく見るのですが、理由がわかった。
確かに、オフ会に参加すればするほど、その商品が好きになってしまう。
- ファンが一番喜ぶのは「支持している価値」のブレない改善である。時代は動いていく。価値観もまだ時代とともに変化していく。
だからこそ、定期的にファン・ミーティングを開催してファンとの対話を増やし、ファンの(時代とともに動いていく)想いを知り、一緒に「価値」を変化・成長させていくことが大事なのである。
時代の変化とともに、その価値観も変化・成長させていくってところに、すごくヒントがある。
③信頼を強くする
- それは誠実なやり方か、自分に問いかける
- 本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
- 社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする
、企業の創業ストーリー、商品の開発ストーリーなどは愛着を強くする重要なコンテンツであるし、それらにアクセスしやすくしておくことはとても基本的なことなのである。
- コアファンに対して必要以上にへりくだる必要はない。
- 価値的に対等である。
- 「熱狂」される存在になるためのポイントは、価値へより強い支持と身内感
- 「身内」として扱い、共に価値を上げていく
じぶんがコミュニティ参加者の立場をふりかえると、実によくわかる。
お客様扱いされるよりも、身内として接してもらった方がうれしい。
運営側のお手伝いをしてもらうのも、まさに身内扱い。
なるほど!!
人間をもっと見せる。等身大の発信を増やす。
人が応援するのはモノでもコトともでもなく、ヒトである。だから「こういう人が働いている」ということをちゃんと見せていくことが応援する気持ちを強めることにつながる。
お店や会社のブログをかくときも、この点を忘れないようにしたい。
商品を応援しているのではなく、ヒトを応援してくれている。
書評のまとめ「ファンベース」
「友人のオススメほど強力なモノはない。」
このファンベースの考え方は、どの商売やコミュニティにもあてはまることで、今できることが多い。
情報があふれている今の時代に、ますますファンベースは必要になってくる。
この本を読むだけで、じぶんのビジネスやコミュニティにあてはめて、いろんなやり方や施策が思いついてワクワクしながら読むことができた。
人には教えたくないくらいのノウハウがつまった本だ。
作り手思考の販促をしがちになってしまうので、定期的に読み返してファンベース思考をじぶんの中にきっちり落とし込みたい。
著書の参考資料が、筑摩書房の特設ページに一覧になっているので、これは勉強になる。→ファンベース特設サイト