仕事の合間に、読んでこころがほっこりする本だ。
薄くて、安くて、読みやすい本は、手に取りやすく気軽に読めるので、ぼくは好きだ。
通勤途中に歩きながら、読んだ。
この本は、「自伝」ではなく「自伝のようなもの」と表現されるように、どこかゆるい空気感が、すごくいい。
この記事の目次
本日の読書「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」
「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」糸井重里・古賀史健(著)
糸井重里さんとは
コピーライター。
「ほぼ日」とは、糸井重里さんが手がけるウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営などを行う日本の企業で、株式会社ほぼ日。2017年3月に上場。
1979年、沢田研二「TOKIO」を作詞。
1980年、矢沢永吉著「成り上がり」をつくる。
1989年、ファミコンソフト 任天堂RPG「MOTHERシリーズ」をつくる。
1998年、「ほぼ日刊イトイ新聞」を開設。
古賀史健さんとは
ライター。著書に「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」(岸見一郎共著)など
出版に90冊以上携わり、累計600万部を数える。
古賀さんのnoteは、人間味あふれ、あたたかくて毎回読んでいる。これが無料で読めるのでオススメ!→古賀史健さんのnote
本の内容「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」
まえがきに書いてあるのだが、糸井さんといえば他にも「徳川埋蔵金」「バス釣り」などハズせないキーワードがあるけど、今回はのせていない。
古賀さんが「本当に知りたかったことだけ」を糸井さんにインタビューしたものになっている。
『ぽかぽかした縁側で、糸井さんの横にすわって、話をきいているような感じの本だ』と書いてあるが、まさにそんな、人のぬくもりを常時感じられる。
- 糸井重里さんの生い立ち
- なぜコピーライターになったのか?
- 「成り上がり」矢沢永吉との出会いについて
- ゲーム「MOTHER」がなぜ生まれたのか?
- ほぼ日は、課金制にせず広告も入れなかった理由
- ほぼ日が上場した本当の理由
本の感想
糸井さんと古賀さんの文章は、日常の何気ない風景のなかに、「人がこころの奥で感じているけど、言語化できていないこと」を表現されているところに、いつも感動してしまう。
読むと、「あ〜、そうそう、そうなんだよね〜」って、日々の生活のなかで埋もれてしまっているような小さな感動に、スポットライトをあてるので、共感してしまう。
そんなお二人で作られたこの本は、独特な空気感が常に漂う不思議な本だった。
ほぼ日が上場した本当の理由→「ムーミン谷」からの卒業
糸井さんは若い頃は、常識や制度にとらわれることなく自由に生きいていた。お金のことも、将来のことも、なるべく考えないようにして生きていた。
そのおかげで、ほぼ日に入ってくる人も、そういう人たちが多かった。
そういう人たちがたくさん集まってくると、よくも悪くも会社が「ムーミン谷」みたいになっていくんですね。
人里離れた山奥にある、やさしい妖精さんたちの村に。まあ、ムーミンたちは歳をとらなからいいけれど、社員はみんな歳をとっていくわけでしょ?そこはなんというか、50代や60代のムーミンはせつないぞ、という思いが強かったんです。
自分も規模は違えど、お店をやっていて、スタートのときは、自分のおもいに共感してくれる人があつまって、勢いだけでもよかった。しかし、いざそこに集まってくれたスタッフや仲間をみて、将来を考えたとき、ここでしか通用しない人間はつくってはダメだと思った。
同じおもいで集まった、じぶんたちだけの世界の「ムーミン谷」をつくることはたのしい。
しかし、その先まで考えることは、すごくむずかしい。
書評のまとめ「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」
糸井重里さんは、ぼくの中ではまさしくヒッピーであり、ムーミンだった。
糸井さんが「上場する」ってニュースがでたときは、「何か糸井さんのことだから、考えがある」とは当然思ったけど、なんかさみしい気持ちにもなった。
「ムーミン谷」にいるはずの「ムーミン」が、気づいたら、近所のコンビニで雑誌を立ち読みしている姿を見て幻滅するくらいの出来事だった。
でも、この本を読んで、糸井さんの生い立ちから上場までの流れを読んで、納得。
ぼくが見ない先の先まで、考えている。
うーん、そうであっても、
糸井さんが最前線で戦わなくなっていることが、なんかさみしく感じてしまう。
いつか終わりがくるヒトとして、自然な流れなんだろうけど、「ムーミン」は歳をとらないので、糸井さんにも歳はとってもらいたくない。
これからの糸井さんの生き方に、ぼくは注目していきたい。
古賀さんと糸井さんがつくった本。この本には、まだまだ気づけていないいろんな仕掛けがあると思うと、また読み返したくなる。
この本は、ビジネス書でもなく自己啓発本でもない。
糸井さんのやさしい語り口で書かれているので、糸井さんに話かけられているような感覚になる。
「本を読む」のではなく、「糸井さんに話を聞いた」感覚になる本だ。
◆著者:古賀史健さんのnoteでの紹介記事
◆「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」公式サイト
ここに紹介されている「こぼれ話」もおもしろい。本を読んだ人もまだこれから読もうと思っている人にも、オススメ!
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