ぼくは「チームワーク」を掲げてチーム作りをして、チームに依存させてしまうチームを作ってしまった苦い経験があります。
本書は「自立」「チームワーク」「複業」を掛け算で業績アップさせるチーム作りが学べる本です!
これは勉強になりました!
(扶桑社さんより、献本いただきました。)
この記事の目次
本日の読書「未来のチーム」の作り方 サイボウズ式編集長 藤村能光
《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方 サイボウズ式編集長 藤村能光
著者の「サイボウズ式」編集長=藤村能光さんとは
1982年生まれ、大阪府出身。神戸大学を卒業後、ウェブメディアの編集記者などを務め、サイボウズ株式会社に入社。
製品マーケティング担当とともにオウンドメディア「サイボウズ式」の立ち上げにかかわり、2015年から編集長を務める。複業としてタオルブランド「IKEUCHI ORGANIC」のオウンドメディア運営支援にも携わる。
藤村さんのTwitter→@saicolobe
藤村さんは、「人に任せるより自分がやった方が早い」って考えるような一匹狼的な働き方をされていたのが、サイボウズに入社して「チームではたらく」思考へと変化しました。
その変化の過程も本書にかかれているので、「チームではたらく」ことについて悩んでいる人にとっては共感しやすい内容になっているのではないでしょうか。
「 サイボウズ式」とは
サイボウズという会社は、上場企業でありながら売上や利益の最大化を目指さず、優れたグループウェアを作り、世界中のチームワーク向上を実現することにこだわっていると公言している会社です。
社長の青野さんは言う「サイボウズは、売上と利益の拡大競争からは降りることにした。」
こんな会社は聞いたことないです。
とりあえず、サイボウズってそんな変わった熱い熱い会社です(笑)
サイボウズでは「チームワークあふれる社会を創る」ことを目指し、仕事の成果と同等に「チームへの貢献と成長」が求められます。
大切なのは「仕事の状況」ではなく、「人の状況」を見ること
人のことをタスクの進捗でしか見ず、感情や気持ちをないがしろにした進捗管理やマイクロマネジメントをすることは、受ける側にとっては嫌な気持ちしか残りません。
仕事の先にある、人の感情に目を配れなくなることで、チームが立ちゆかなくなっていく様子を、まざまざと感じたのです。
ぼくはつい目先の結果を追い求めるばかりに、「仕事の状況」を優先的に見ていることに、この文章を読んで気がつきました。
むしろ、「仕事の状況」しか見ていなかったのかもしれません。
「仕事をやっていない」=「さぼっている・怠慢」という、相手を信頼していないぼくの勝手な決めつけが原因です。
その結果、相手からも信頼を得ることができず、チームとしての成果が上がらないという悪循環をうんでいます。
「人の状況」を見るというのは、大きなヒントとなりました。
心理的安全性とは「さらけ出す」ことで生まれる
人がチームをつくるときに、何が一番重要なのか。僕は「心理的安全性の確保」だと思うようになりました。
リーダーの立場であるぼくは、サイボウズの本を読む度に反省してしまいます。
「心理的安全性の確保」への意識が弱いからです。
心理的安全性とは、不安や恐れを感じることなく、発言や質問ができる環境や関係性のことを意味します。
要するに、チームのメンバーそれぞれが、自分自身を「ありのまま」にさらけ出し、それをお互いが受け止め合える状態のことです。
未熟な若いスタッフと接する時は、特に注意が必要です。
若いスタッフとぼくとでは「常識」が違いすぎるので、「何がわからないのか」が想像を超えています。
相手は疑問や不安を自分で解決する努力の仕方もわからければ、質問することもできなければ、何もできません。
まずは、自分で考える能力をつけてもらう為にもその土台となる「聞ける」環境を、リーダーであるぼくはつくることが必要です。
心理的安全性を生み出す為の切り札「オンラインコミュニケーション」
働く時間や場所もバラバラなので、どうしても会ってコミュニケーションをとる機会が少なくなります。そこで僕がたどり着いたのが、チームで「コミュニケーションツール」をフル活用することでした。
オンラインコミュニケーションツールとは、メール・LINE・メッセンジャー・Slackやチャットワーク・サイボウズ製品「キントーン」などです。
コミュニケーションの取り方が時代とともに変化していき、ぼくの会社でもオンラインコミュニケーションツールは取り入れていますが、「フル活用」まではできていませんので、改めて重要性を認識できました。
チーム内に「情報格差」を絶対につくらない
- その人に属人化しがちなノウハウやスキルをチームに開放し、みんなで共有できるようになれば、チーム全体の学びの高速化にもつながります。
- 心理的安全が確保されているということは、メンバーの弱みすらチームで受け止めるということです。
オンラインツールの良いところは、情報共有のしやすさです。
チーム内で「知らないこと」があると、不安になってしまいます。
情報を共有することによって、「知る」ことができ、「興味」をもつことができます。
興味をもつと「考える」ことができ、「自分ごと」へと変化していきます。
オンラインでもオフラインでも「雑談」が効く
雑談は、チームのみんなの人となりを知ることに直結します
ここでもサイボウズ社らしい「人」を大切にされている文化がうかがえます。
効率ばかり追い求めていると、「雑談」は不必要と感じがちですが、自分のことを振り返っても「雑談」から「信頼」につながっていることって多いなって感じます。
「雑談」するにしても、相手の価値観を認め尊重しようとする文化があるからこそ、より「雑談」が意味のあるものになっていくのだと思います。
ぼくはチーム作りのうえで「雑談」の大切さをおろそかにしていましたので、さっそく取り入れていきます。
「自立」しているからこそ成り立つ「複業」
- サイボウズが複業(副業)を認めているのも、「会社内だけで自分の市場価値を見つけられるのが難しければ、外に出ていって自分の価値を知ろう」という考えに基づいています。
- 会社自体が「チームワークあふれる社会を創る」ための壮大な実験場のようになっているのです。
サイボウズ社は、複業を取り入れています。
ふつうに考えると、複業を認めてしまうと「他社に「労働力」が分散してしまう」とか、「本業に集中しなくなるのではないか」と心配になってしまいます。
しかし、サイボウズ社では、根底に社員さんを信頼しているというベースのもと、すべての仕組みが作られています。
通常であれば、「自分ひとりでも稼げる」という思いが強い”自立している”人ほど、会社から縛られることを嫌います。半面、会社が自由を許容してくれるのなら、もっと会社に貢献しようと思えるものです。
「自由を担保することがチーム、ひいては企業価値を最大化させる」。これは複業を認めることにも通じるのはないでしょうか。
サイボウズ社側から、まずは社員さんに対してチャンスを「give」しているからこそ、社員さん側からサイボウズ社へ「give」が結果的にかえってきて、お互いwin-winな関係が作れています。
自立しているからこそ、自分で考え行動できるので、「複業」しても本業にマイナスではなくプラスの影響を与えることができるのです。
書評のまとめ《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方
今は、新しい働き方として複業(副業)を認める会社も増えてきて、個人でも活躍できる時代になってきました。
世間では複業が注目され、
「個人の力でどんどん稼いでいこう!会社に頼らず生きていこう!」みたいな風潮を感じることがあります。
ぼくも今の時代は、個人で勝負していく時代だと思っていました。
確かに個人でも稼げる時代なのかもしれませんが、どこまでいっても「個人」であげられる成果というのは、「チーム」でのあげる成果にはかなわないです。
「個人でも戦える時代」になったからこそ、個人がチームをつくって、「チーム」で戦っていく時代になってきます。
「チームワーク」を向上させる手段として、サイボウズ社のグループウェアが力を発揮するわけですね。
これからは「個人」の時代であると同時に、いかに良い「チーム」をつくっていけるかが問われる時代でもあるのです。
本書は、「チーム」の作り方を学べるだけでなく、新しい働き方について考えることができる本です。
「チームワーク」「リーダー」を学びたい人にオススメ本
誰にでもわかりやすく書かれていますので、読みやすい本です。
- 複業(副業)について興味がある人
→チームとして複業を活かせる方法が学べる - チーム作りについて学びたい人
→個々の多様性を大切ながらもチームワークを築く方法が学べる
↑気になったところのページの角に折り目をつけるのですが、たくさんチェックしました!良書!!