私にとって良い本に出会った時の書評記事は、「書評」ではなく「未来に読み返す時の自分へのメモ」です。
本書は、私が会社やチームをつくるうえで、取り入れたいことがたくさん詰まっていますので、自分にとって大切なことのメモのまとめにしました。
ダラダラと自分に必要なメモをしましたので、この書評をまとめると教育に関係する人にとって「おもしろい本」なので買いの一冊です!
この記事の目次
本日の読書『最軽量のマネジメント』サイボウズ副社長 山田理(著)
マネジャーにすべてを背負わせるのはもうやめよう。「最軽量のマネジメント」サイボウズ取締役 山田 理(著)
著者 サイボウズ取締役 山田 理さんとは
山田 理さん
サイボウズ副社長/サイボウズUSA社長。大阪府出身。
日本興業銀行→サイボウズ。
「100人100通りの人事制度」づくりの発起人。現在はサンフランシスコに赴任しています。(Twitterより)
マネジャーは役割
- マネジャーは「地位」ではなく「役割」である
- マネジャーの最大の役割は「意思決定」
マネジャーというと「えらい人」って思われがちですが、サイボウズではマネジャーというのは「役割」という捉え方です。
私は飲食店をやっていますので、「店長」もまさに「えらい」のではなく「役割」が他の人と違うだけ。
若い店長ほどつい「自分のことをえらい」って無意識のうちに思いがちなので、「役割」って言葉がしっくりきました。
店長だろうが、アルバイトであろうが、お客様であろうが、上も下もなく同じだと私は考えています。
マネジャーとして必要なのは情報を公開する「覚悟」
- 必要なのは「スキル」ではなく情報を公開する「覚悟」
- いちばん公開した方が良い情報は「途中経過」
本書で、自分が意識が足らなかったのが「情報公開」です。
従来のピラミッド型組織の会社の弊害は、上層部だけが情報をもっているのでフラットの関係ではありませんでした。
「情報公開」が肝だったのですね。
そして、「途中経過」に関しても社員が混乱するだけだと思っていましたが、この件に関してもキッチリ書かれており、「途中経過」を見せないことは「社員が主体的になること」と逆行していることになります。
その過程までも見せて、情報公開することが、情報格差がなくなり、「あなたを頼りにしています」というメッセージにつながることがわかりました。
「情報公開」することの重要性を学びました。
- 「100%の忠誠心」なんて求めない
- 「100人100通りの距離感」を受け入れる
- メンバーそれぞれが心地いいと思える距離感を保つことが、他者への尊重であり、あるべき「信頼関係」です。
昔の会社のあり方としては、会社に忠誠心が求められていましたが、今はそんな時代ではありません。
忠誠心ではなく、「距離感」という発想が私にはなく、これも大きな学びとなりました。
サイボウズでは一人ひとりと距離感を大切にされているということで、確かに今の人たちは、それを求めていると感じました。
この考えも、自社に取り入れていきます。
サイボウズの特徴「公明正大」
- サイボウズ最大の特徴は、「公明正大」です。
- 大切なのは、ホワイトでもブラックでもなく、「クリア」な会社を目指した、ということです。とにかく「透明」であること、つまり「公明正大」であることを。
- ちゃんと情報が開示されているのであれば、選ぶのはその人次第です。
サイボウズといえば、「公明正大」。
ホワイトでもブラックでもなく、「クリア」っていいですね。
飲食店は営業時間が長いですので、「ホワイト・ブラック論」のモノサシでは測れない部分があるのでモヤモヤしていました。
しかし、「クリア」という基準は大切にしたいと思い、しっくりきました。
サイボウズの「ザツダン」
- 「月に1回30分だけ全員とザツダンする」
- 「ザツダン」とは、言葉通りもっともっと「雑談」に近いもの。
本書で一番私が取り入れたいと思ったのが「ザツダン」です。
以前より、サイボウズの「ザツダン」というのは知っていましたが、重要性の認識が甘かったです。
- 話すことは、業務報告やプロジェクトの進捗ではありません。その人が抱えるモヤモヤを把握してあげることであり、やりたいことやできることを確認すること、メンバーの個性やモチベーションを知ること
- メンバーの不平不満をより突き詰めてみると、具体的な問題より、それ以外の「知らなかった」「聞いてもらえない」「意見が届いていない」といった部分が大きな面積を占めている。
私が飲食店をやっていて、たくさんのスタッフと接するなかで、「面談」や「会議」という名目で話をする時と、何気ない普段の会話や雑談のなかでの会話を比較した時に、確かに話の内容も会話の深さも違います。
業務の表面的な課題や情報は、「面談」や「会議」でひろうことができても、その本質的な部分はそういう場ではひろうことが難しいです。
「ザツダン」の重要性を本書では何度も語られているので実践していこうと思います。
マネジメントで大事なことは情報を公開すること
- マネジメントにおいてもっとも大事なことは、情報を徹底的に公開すること。
- 会社側あるいは上司側が、先にどれだけ情報を公開できるのか、社員全員が見られる場所におけるか、そして、どのようにアクセスしやすくするか。
- 情報とは、数字や議事録だけではありません。会社で働く社員一人ひとり、個人が「何を思っているのか」も大事な情報です。
- 情報を「伝えて覚える」ものではなく「探して使える」ものにすることです。
「情報公開」について、再度書かれていますが、「どのようにアクセスしやすくするか」というのも自分たちの課題でもあります。
それがサイボウズの商品でもあると思うのですが、アクセスしにくいと見なくなってしまいます。
情報にアクセスしやすいというのは、とても重要な要素だと思います。
もうひとつ、情報といえば「売上」などの数字や新メニューや出店情報と思ってしまいましたが、「社員一人ひとりが何を思っているのか」というのも大事な情報というのが知ることができてよかったです。
このあたりが人を大切にしているサイボウズらしさですね。
「説明責任」と「質問責任」
- マネジャーには「説明責任」メンバーには同等の「質問責任」がある
- 「質問責任」があるチームであれば、「不安を感じているなら、教えて」と言えるわけです。
- 結果、マネジャーが過保護に世話をするのではなく、メンバー自らが「自分は何に対してモヤモヤしているのか」「困っていることは何か」を考え、行動するようになります。
- そのあとなら、存分に周囲のチームメンバーに頼っていい。
- 以前、サイボウズ色で、精神科医の神代享先生が「自立の正体は上手な依存だ」とおっしゃっていました。
- まさに「質問責任」は。メンバー一人ひとりが、チームに上手に依存できる「自立」状態をつくり出してくれるのです。
「説明責任」はよく聞くけど、「質問責任」という考え方ははじめてです。
説明責任だけなら、依存の関係になってしまうので、質問する側にも「質問責任」があるという考え方は「自立」した人をつくっていくうえで必要な考え方です。
上の立場の人に「どうしたの?」ってイチイチ聞かれるまで待っている受け身の人間をつくってはダメです。
マネジャーは「書く」
- 説明責任を果たすために、マネジャーは「書く、書く、書く」
- ブログをとおして説明責任を果たしていると、メンバーの質問責任も活性化した
著者の山田さんもブログを書くことで、「説明責任」を果たし、同時に自分の頭の中も整理されています。
やはり、「書く」ってことは大事なんだと、改めて感じました。
スタッフにも「書く」ことをすすめたいです。
書評のまとめ『最軽量のマネジメント』サイボウズ副社長 山田理(著)
サイボウズ社の考え方が大好きです。
自分の会社にあてはまらないこともありますが、想いを形にして、世の中の「常識」をいくつもぶち壊して、サイボウズが考える「理想の姿」に挑戦し続ける姿に、毎回勇気をもらっています。
今の激しい時代の変化で、はたらく人の価値観もどんどん変化して、その多種多様の価値観を尊重しながらチームをつくっていくその過程を本書で知ることができます。
時間をおいて、何度も読み返し、今の自分の想いも忘れないように、自分の挑戦もし続けていきます。
「チームワーク」「リーダー」を学びたい人にオススメ本
誰にでもわかりやすく書かれていますので、読みやすい本です。
- 複業(副業)について興味がある人
→チームとして複業を活かせる方法が学べる - チーム作りについて学びたい人
→個々の多様性を大切ながらもチームワークを築く方法が学べる