危うく読み損ねる本だった。
ぼくは、6年前に読んで、すごく勉強になった本だという記録があり、最近「新版」が出版されたことを知っていたが、「前に読んだからいいや」ってスルーしていた。
今回、おすすめ本をまとめるにあたって、たくさん読んできたマーケティング本の中でも教科書ともいえる本なのでもう一度読みたいと思い「新版」を買った。
本を開いてビックリ!
全体の8割の内容が新規の原稿になっており、中身がほとんど変わっていた。
そりゃ、6年前のマーケティングと現在のモノでは内容が変わる。
6年前はiPhoneの普及率も違えば、Instagramもまだはじまったばかり。
環境が違いすぎる。
「新版」は、本質は変わらないが新しく勉強になることばかり。
同じ題名を使うのがもったいない良書だ!
この記事の目次
本日の読書 新版「安売りするな!『価値』を売れ!」
著者:藤村正宏さんとは
モノではなく体験を売るという「エクスペリエンス・マーケティング」というマーケティング手法を提唱し、主に経営者を対象とした「エクスマ塾」を開催、全国800社以上の経営者が入塾し、圧倒的な実績をあげている。
人は関係性の深いほうから買う
- 人間は同じものを買うなら、関係性の深いほうで買います。同じものを買うなら、より関係性がある人から買うのです。
- オリジナリティがあれば、価格競争に巻き込まれない。
今の時代、モノがあふれ、高品質なものが増えた。
何より、Amazonにより、どんな場所からでも24時間好きな買い物が、指先ひとつでできてしまう時代。
その世の中で、選ばれるポイントが「関係性」。
これって、すごいヒントだ。
モノを販売するときもそうだが、コミュニティを作るときを含め、いろんなことに応用できる。
価値を知ってもらう為に、「情報」を伝える。
- どんな価値のある商品も、
どんな価値のあるサービスも、
どんな価値のあるお店も、
その価値が伝わらなかったら、
それはお客様にとって「存在しない」ということ。- 人間は知らないものには興味を持ちません。
価値を知らないものは選びません。- 選んでもらえない、買ってもらえない。その原因の多くはちゃんと「情報」を伝えていないということ
飲食店の業界にいると、職人は「おいしいモノが売れる」と思いがち。
でも、多くは「おいしいモノ」が売れるのではなく、「おいしそうに感じられるモノ」が売れる。
つい作り手・売り手側からすると、そのお料理・商品ができるまでのストーリーがあるので、おいしく思えちゃう。作り手・売り手側からすると、「食べて見たらわかるでしょ」って思ってしまう。
それを知らないお客さまにとっては、ストーリーを知らないから、おいしさの違いがわかりにくい。
ストーリーは、わかってもらうものではなく、伝えさせてもらうもの。
「情報を伝える」ってことを常に意識していきたい。
関係性を築くための5つの視点
「関係性を築くために大切にしなければならない5つの視点」
- 忘れられないようにいつもコンタクト
- いいお客さまを選ぶ
- 売り込みではなく「情報」を発信
- 「個」を出す
- お客さまを巻き込んで楽しむ
コミュニティをつくっていく上でのたいせつなこと。
あせってしまうと、どうしても「売り込み」が多くなってしまう。
それは逆なんですね。
うまくいっていない時に、思い出したい。
「忘れられないようにいつもコンタクト」「売り込みではなく情報発信」これらは、地味で結果がすぐにみえにくいけど、信じてやり続けたい。
「友達」から「お客様」になる人もでてくる。
- 地道に発信していると、あなたに共感してくれる人や好きになってくれる人が、必ず増えていきます。まさに「客」ではなく「友達」です。その中からお客さまになってくれる人が出てくるのです。そして、毎日のように発信していると、信頼が生まれます。人はよく知らない人を信用しません。情報量が少ない人を信頼はしないのです。
- あなたの商品やサービスのことをその発信に織り交ぜることで、商品を理解してくれるようになります。知識が深くなると欲しくなるのです。
「必ず増えてきます」と、力強く背中をおしてくれるところが勇気を持てる。
目的がたいせつ。
「お金を稼ぐこと」が目的であれば、「客」を増やせばいい。
でも、それって短期的にうまくいったとしても、うまく続かない。
商売をすることって、目先の目標は「お金を稼ぐこと」ってなることもあるのかもしれないけど、商売をすることの目的は、「しあわせになること」。
「しあわせ」は、他人から搾取して得るものではない。「しあわせ」は分かち合うもの。そう思った時、分かち合う相手は「お客様」ではなく「仲間(友達)」になるはずだ。
だから、増やすべきは「お客様」ではなく、「友達」なんだ。
この本は、人との信頼関係を結ぶ方法を教えてくれている。
その結果が、友達の中から、「お客様」になってくれる人もいる。
ビジネスでは、キレイごとだとバカにもされるが、
「お金は後からついてくる」とは、このことだ。
- つながりの中で消費が起き、見ず知らずの人からは、ますます買わなくなる時代になていきます。
新しい時代の転換期。
このブログも自分を自由に表現できるメディアであり、インスタ、Twitter、LINE@、今は何でもあるので、個人でも工夫しだいでいろんな可能性がある。
個人が大企業にも勝てる時代になった。ワクワクする。
新版「安売りするな!『価値』を売れ!」感想のまとめ
「経営とは利益を追求することだ」と大きな声で叫ばれ、資本主義のお金に主導権を握られた人生を送ってきたぼくは、ビジネスが嫌になりかけた。
しかし、時代は「お金」に変わり「信用」が価値をもつ評価経済に変わりつつある。
ビジネスとは、利益を追求することが目的ではなく、しあわせになるためのツールとして活用したい。
この本で書いてあることを、ひとつずつ実践していき、行き詰まったときには振り返りたい。