「うまく任せるにはどうすればいいだろうか?」
リーダーであれば、必ずぶち当たる問題です。
任せたのについ口を挟んでしまったり、自分で考えて行動できる部下が育たなかったり……。悩みは尽きないです。
私はお店をやっておりますので、「任せ方」についてはいつも悩み、試行錯誤の連続です。
本書は、現場レベルで起こっている問題や悩みを、横でサポートしてくれているかのうような1冊!1度読んで終わりではなく、何度も読んでみるとその度新たな気付きができる深い本で、リーダーにオススメ本です。
この記事の目次
本日の読書【一流の仕事の「任せ方」全技術】守屋智敬(著)
著者:守屋智敬さんとは
1970年 大阪府生。管理職や経営層を中心に2万人以上のリーダー育成に携わる。
2015年 株式会社 モリヤコンサルティング 設立。内面から行動を変えるアプローチを重視した共感型リーダーの育成をはじめ、数多くのリーダーシッププログラムを提供。
2018年 一般社団法人 アンコンシャスバイアス研究所 設立。
守屋さんの公式ブログ→守屋智敬ブログ~研修講師
著書に、5万部を突破した『シンプルだけれど重要なリーダーの仕事』、『導く力』等。
【参考記事】→【チームマネジメント・リーダー本】読みやすいオススメする本ベスト4!
まずはあなたの「任せ方」の総点検から
本のカバー部分に書かれた言葉が、この本のおもいがよくわかる一文が書かれています。
後半部分の「さあ、まずはあなたの『任せ方』の総点検から!」
「任せ方」って、相手に対して「どうするのか」「何をするのか」ではなく、まずはあなたの総点検からスタートです。
つまり、相手に対してどうするのかではなく、まずは自分からです。
相手を変えるのではなく、自分からスタートです。
一人ひとり違う
一人ひとり違うという大前提に立つと、一人ひとりをよく知ろう、よく見よう、考え方や感性を大切にしようと、意識できるようになっていくでしょう。
この心の持ちようが、それぞれに違いがある相手からの信頼を得ることにもつながります。
つい自分の価値観のモノサシを、すべての人にあてがちになってしまいます。
その人がもっといろんな可能性があったとしても、ひとつのモノサシだけで測ってしまうと、成長の芽をつぶしてしまうことになってしまいます。
でも、実際はなかなかそんな「余裕」が持てなくて、できないことも多いです。
著者の言葉は「できる・できない」でもなく、「やる・やらない」ではないのです。
「〜しよう」なのです。
この言葉に救われます。
たとえイライラしていてできなかったとしても、「大切にしよう」とするその心の持ちようがたいせつだと著書は言ってくれています。
「〜しよう」と、心をそちらに方向にむけることからリーダーもスタートなのです。リーダーの小さな成功体験のひとつにもなります。
その積み重ねの結果、「〜しよう」から結果がうみだされるのだと思います。
非言語メッセージの発信力はあなどれない
表情や態度といった非言語メッセージは、あなたが想像するよりもはるかに大きな影響を、メンバーに与えているかもしれません。
私もお店をやっていてよく感じることが、メンバーはよく見ているということです。
言葉にしてなくても、自分自身の普段の振る舞いや行動が、まわりにいかに大きな影響を与えているのかということを実感します。
上の立場になればなるほど、非言語メッセージの影響力は大きいと感じます。
人は変わります
以前の評価が低かったとしても、リーダーであるあなたの采配次第で、目の前にいるメンバーがよみがえることは、大いにあり得るのです。
人は「変わろう」って思っても、なかなか変われないものです。
しかし、リーダーがその「変わろう」としている状態を察してくれるなら、「変わる」のことができる可能性は大きくなります。
安心して挑戦できる環境ということになりますね。
結果がともなっていない状態は、本人も苦しいですし、まわりからの視線も気になってしまいます。
リーダーが、たとえ結果が出ていなかったとしても、その姿勢までも見てくれてくれるなら、挑戦し続けることができます。
リーダーの采配で、人の可能性までも変化してしまいます。
「いつでも相談して」が良くない理由
「いつでも相談して」が良くない理由
→「いつでも」」「何でも」という言葉は、基準があいまいであるということです。
この言葉は、私もよく使っていました。
確かに、リーダー目線でしか見ていなかったと痛感しました。
- 私がオススメするのは、相談ポイントを決めておくということです。
- 具体的には「時間」と「場所」です。
- 遠慮なく言葉にできる機会が定期的にあるという安心感がとても大切なのです。
自分が逆の立場なら、これもよくわかることですね。
「きっとリーダーは忙しそうだから…」「たいしたことないから…」と、なかなか気軽にメンバーから声をかけにくかったり、話をするチャンスが少なかったりします。
これといった話す内容がたとえなかったとしても、話す機会をつくっておくことが大事になってきます。
会議とは別に、話せる機会をつくることは、これから取り入れたいと思います。
「わからなかったら聞いてね」とだけ伝えていませんか?
「相談したくても、何を相談したら良いかわからない……」
そんなメンバーの様子が見てとれたときには、メンバーが相談内容を言語化できるように導いていくことも必要です。
経験の浅い社員の場合は、「問題」が認識できていないことが多いですので、それを自分で気づくことからサポートしていきたいですね。
自分で考えられる力をつけないと、いつまでたっても自立できません。
答えを「教える」のではなく、「導く」というのがいいですね。
「なぜそうなったか?」
「なぜそうなったか?」の裏に責める気持ちはありませんか?
メンバーと接するときは、「変えられない過去よりも、変えられる未来」に向けて問いを立てることを心がけてみてください。
「なぜ〜やったの?」
失敗をしたスタッフに思わずいつも言ってしまいます……。
これは、「変えられない過去」を責めていることであり、自分の感情をただぶつけてしまっているだけ。
「変えられる未来に向けて」って、言葉を忘れないように心がけたいです。
アンコンシャスバイアス(無意識の偏ったモノの見方)
大切なことは、「アンコンシャスバイアスに気づこうとすること」です。
「押しつけない」こと、「決めつけない」こと。
そして、「一人ひとり、その時々と向きあうことを心がけること」です。
「アンコンシャスバイアス」の考え方は、多様化した価値観をもった今の世の中に求められている考え方で、Googleなどのグローバル企業が研修に取り入れたことをキッカケに注目されています。
アンコンシャスバイアスの正体は、「私は悪くない」「失敗したくない」といった自己防衛心であり、誰しもがもっているものです。
「任せ方」にも、大きく影響をあたえています。
詳しくは、守屋さんの著者がオススメです。きっとあなた自身がもっとラクに生きられるようになる考え方を教えてくれます。
今、企業研修で話題の「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」
→【感想】「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない 守屋智敬→まずは知ろうとすることが大事
書評のまとめ【一流の仕事の「任せ方」全技術】守屋智敬(著)
「任せ方」というと、相手にどうやってもらうのかって考えがちですが、本書を読んで学んだことは「任せる」ということは、「相手」にどうしてもらうか以前に、まずは「自分」がどう振舞うのかで決まってしまうということです。
「相手」ではなく、「自分」が「任せ方」の大きなポイントになるわけです。
任せ方は、テクニックではなくまずは、自分のこころのありようなんだと気づくことができます。
著者の守屋さんはことばを大切にされている方です。
守屋さんが使われていることばの節々に、相手をおもいやる気持ちが込められており、何度も何度も読んでいると、その「おもい」を感じとることができるような気がして、私も相手をおもいやったことばを選んで、行動をとっていきたいと思いました。
ぜひ、本書を読みながら、あなたに響くことばを見つけてみてください。
「任せ方」「教え方」を学びたい人にオススメ本
書かれている内容は、実際の現場で起きている問題や悩みに該当することばかり、読みながら「確かに〜」「あ〜なるほど〜」と頷いたり、自分の行動が見透かされているかのうように自分を振り返ることができ、気付きが多い本でした。
私は1回目読んだときは、そこまで大きな感動はなかったのですが、読み方が甘かった。何度も読んでいるうちに本書のことばの深さに気付くことができ、めちゃくちゃ勉強になり、危うく良書を見逃してしまうところでした。
読めば読むほど、学びがあるという読書ほどたのしいものはないです。
本書はそんなスルメのような読めば読むほど味がでてくる本です。
ぜひ、何度も読んでもらい、本書を片手にチームで「任せ方」について話し合うのにも最適な1冊です。きっと、相手に求めるのではなく「まずは自分から」と、やさしさあふれるチームになっていくのではないでしょうか。
守屋さんの「リーダー本」は、私が一番オススメしているリーダ本です!!