「もっと、もっと…」
ぼくは、知識・経験・能力を増やすことばかり考えていた。
何かをつかもうと必死だった。
やっても、やっても表面的な成果は出ても、なぜか苦しかった。
苦しいことが当たり前だと思い、その感情も忘れていた。ふつうすぎて……。
四角大輔さんは、「増やす」ことではなく、「減らす」ことを伝えている。
本当にたいせつなものは、既にもっている。
余計なモノを持ちすぎているために、たいせつなモノがわかなくなってしまっている。
「増やす」のではなく、いらないものを「減らす」。
この本は、本当に必要なモノが何なのかを教えてくれる本だ。
(2015年に刊行された「やらなくてもいい、できなくてもいい。」の文庫本となっているが、大幅に加筆、再編集されているので、全く別の新しい本と思っていいくらい、内容は一新されている。)
この記事の目次
本日の読書「人生やらなくていいリスト」四角大輔
四角大輔(Daisuke YOSUMI)さんとは
アーティスト育成、フライフィッシング冒険をライフワークとし、ニュージーランドで自給自足ベースの〝森の生活〟を営む。
年の数ヶ月は世界中で移動生活を送りながら、『Mac Fan』、登山雑誌『PEAKS』、エコ&ソーシャル誌『ソトコト』などの連載。
レコード会社プロデューサー時代には、絢香、Superfly、CHEMISTRY、平井堅などを手がけ、7度のミリオンヒットを記録。
公式サイト→「四角大輔のすべて」
人は「ありのまま」でいる時こそ、いちばん魅力的
- 人は「ありのまま」でいる時こそが、他人には「いちばん魅力的に見える」ということ
- 人は、すべてをさらけ出している瞬間こそが、「もっとも美しい状態」であること
大人になるにつれて、知らない間に身にまとってしまった「外から見られる自分」。
無意識に「人によく思われたい」「どう見られているのか?」と、他人の目線を気にしていばかりいた。「本当のじぶん」を隠すように「作った自分」で外側をかためてしまっていた。
あまりにも何重にも外側に「作った自分」で覆ったために、それが本当の自分だと、自分でも錯覚してしまっていた。
すべてをさらけ出すことが、本当に難しかった。
さらけだすことを忘れてしまっていた。
人生を変えるほどの衝動
あなたにも「人生を変えるほどの衝動」が、体のどこかに残っているはずだ。
多くの場合、それを忘れてしまっていたり、封印してしまっているが、それはいつでも呼び戻すことができるとぼくは信じている。
「人生を変えるほどの衝動」について、はじめて自分に問いてみた。
自分の中にその「衝動」は潜んでいても、思い出そうとすることがなかったので、すぐに引き出すことができなかった。
でも、丁寧に自分の過去を遡っていくと、少しずつ過去の情景・感情が蘇ってきて、「衝動」に出会うことができる。
自分とつながる瞬間だ。
孤独な時間が必要
自身の心の奥にアクセスし、自分自身と向き合える「孤独な時間」、この時間を「アーティストタイム」と呼び、今でも大切にしている。
自分を知るためには、「孤独な時間」が必要。
一人の時間をつくって、胸に手をあて、自分と会話する。
一人の時間は意識して作らないと、自分と会話はできない。
自分のルーツと出会う
- 子供時代や若い頃に受けた深いトラウマこそが、「その人らしさ」の根幹となっている。
- 傷ついた数だけ、その人のオリジナリティは深まり、それが強みとなる。
- あなたのルーツに出会えることで、あなたの中に眠っていた「真のアーティスト性」が目を覚ますことになる。
子ども時代に受けた深いトラウマが、その人の根幹になっている。
人は、子どもの頃のマイナスの記憶にふれたくないので、心にフタをしてしまっていることが多い。
フタをしていることすら忘れてしまっている。
子どもの頃のトラウマに、向き合うことは難しい。
そのトラウマがこわいから、見たくない。
そして、根幹と向き合えた時、はじめて本当の自分と出会える。
イビツな形こそが美しい
生きるとは、一生をかけてあなただけの「本来のイビツな形=あなたの内に眠るアーティスト性」を磨き続けること。
周りの目や、同調の目や、同調圧力に負けず、その「美しきイビツさ」を命がけで守り抜いてほしいんだ。
学校でも会社でも、どの能力も必要で、どこかでも劣っていることが許されない。
劣っている部分があるなら、そこばかりが注目され、それがその人のすべてのように見られてしまう。
その結果、自分でもまたそれが全てだと思いがちになってしまう。
しかし、四角さんは言う。
人はそれぞれ違っていて当然であり、イビツな形こそが本来の形である。
そのイビツな形こそが、美しい。
社会的信頼を得るための極意
「四角さんがプロデューサーとして成功を収めたり、ベストセラーを出せた理由は何ですか?」
「人としてあたり前のことを、昔から変わらず、愚直にコツコツとやり続けてきただけです」
四角さんが言う人として「あたり前のこと」とは、次のことだ。
忙しくなればなるほど、「あたり前のこと」をおろそかになりがち。
学校や会社など関係なく、これが社会的信頼を得るための極意。
何か特別のことではなく、当たり前のことを当たり前にやることが大事。
「絶対」だと思っていたことが、そうではなかった
行かなくていい現場。やらなくていいタスク。会わなくてもいい人。出なくてもいいミーティング。無駄がたくさんあった。
「絶対」だと思っていたことが、そうではなかったことに気付く。
モノだけでなく、仕事、予定、人間関係も捨てられるようになった。
社会で生きていると、誰が決めたのかわからないけど、「やらなければいけないこと」がたくさんある。
その「やらなければいけないこと」によって、自分の時間を奪われ、「自分と会話する」ことからますます遠ざかってしまい、どんどん自分が自分でなくなってしまっている。
でもそれって、「やらなければいけないこと」ではなく「『やらなければいけない』と自分が思い込んでしまっていること」がほとんど。
勇気をもって、捨ててみたい。
「変わる」のではなく、「還る」
- 「変わる」のではなく、「本来の自分に還る」
- 自身の内側に生まれてくる「小さな感覚」を感じとり、耳を傾ける。この行為こそが、あなたの「オリジナリティ」を目覚めさせ、本来誰もがもっているアーティスト性を再起動させる、第一歩になるのだ。
ぼくは、無いものを外に追い求めていたけど、そうではなかった。
ぼくは、既に自分の中にもっていた。
外に求めるのではなく、内に内へと意識をむけていくことが大事。
自分のこころの声を聞くということすら、最初は意識して行わないと聞き取ることができない。
自分のこころの声が、聞こえ出してくてると、少しずつ聞こえるようになってくる。
眠っていた自分に出会えることができる。
「進化」ではなく「深化」
- あなたが目指すべきは進化ではなく「深化」。変化や成長でもなく、「自分自身に還る」こと。
- 「自分らしく生きる」。これ以外に、真の成功はないのである。
ぼくたちは、上や横にどんどん広がっていくことを目指すのではない。
目指すべきは、下に深く掘り下げていくことだ。
学校や社会では「他人を大切にしなさい」「他人のために」ってことは、たくさん教えられた。
しかし、「自分を大切にする」ことは、教えられることも学ぶこともなかった。
他人や世間の目ばかり気にしていたから、外に外に意識が向いていた。
「自分らしく生きる」ためには、まずは自分を知ることからスタートだ。
書評まとめ「人生やらなくていいリスト」
「自分らしく生きる」
まずは「自分」を知ろうとするところから、はじめてみてほしい。
ぼくたちは、「本来の自分」をこころの奥にしまいこんでしまっている。
他人の顔色ばかりうかがって、他人のモノサシを自分に押し当てて、他人の価値基準に振り回されて生きている。それが世の中の常識だと教えられてきた。
自分を見失っている。
一人になって、孤独の時間をつくり、胸に手を当てて、こころの奥にいる「本来の自分」に語りかけてほしい。
「本来の自分」に、そのままでいいんだよって、存在を認めてあげてほしい。
カッコつけて着飾っているのは「自分」ではない、奥にしまいこんでいるのが「本来の自分」。
余計なモノを捨てて、「本来の自分」とつながることができて、はじめて「自分らしく生きる」スタートに立てる。
この本は、四角大輔さんが歩んできた人生を振り返って、「自分らしく生きる」ことを僕たちに示してくれている。
「自分らしく生きる」、
ぼくは、ぼくらしく生きていく。
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