「介護」っていつか自分も関係してくるだろうな〜って、
どこか遠い存在だと思っていた。
今のタイミングでこの本と出会えてよかった。
突然「介護」する必要になった時に、何の準備もしていなければどれほどアタフタしたことだろう。
この本を読んで、「介護」について考える時間を持つことができた。
普段の生活の中で「介護」にまつわる情報に、以前より興味を持てるようになった。
(日本実業出版社さんより、献本いただきました。)
この記事の目次
本日の読書「ムリなくできる親の介護」工藤広伸(著)
著書:工藤広伸さんとは
1972年生。東京都在住。執筆を生業にする介護作家・ブロガー。
祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護からスタート。
祖母の死去後、悪性リンパ腫の父(76歳・要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。
成年後見人経験者、認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。現在も東京と岩手を年間約20往復しながらしれっと遠距離介護中。
(※ブログのプロフィールより引用)
著者のブログ→「ひとりでがんばらない 40歳からの遠距離介護」
遠いと思っている介護は急にやってくる
将来、自分が介護するかもしれないと意識しはじめた平均年齢は「48.2歳」で、実際に在宅介護をはじめた年齢は「50.9歳」でした。
介護について、深く考えたことがなかった。
この具体的な年齢を見ると、自分の意識の低さに危機感を覚える。
介護も同じように、ちょっとの関心を持つことで、いざ自分が介護するとき、または介護されるときに、いつの間にかたくさんの情報を得ていて、それが自分自身を守る武器になるのです。
「介護」って、自分に関係がないと思っていたら、「介護」に関する情報のシャワーを浴びていても、自分の情報のアンテナにひっかからない。
だから、今のうちにちょっとでも関心をもち、「介護」に対するアンテナをたて、情報を吸収していつくるかわからない介護の準備をしておくことが大切だ。
介護を経験すると老後が想像しやすくなる
介護が終わった人に、「介護を経験してよかったと感じること」を聞いたアンケートで1位だったのが、「自分の老後について考えるきっかけになった」でした。
これもすごく有難い情報。
まだ介護を経験していないので、経験した人のアンケート結果を知れることはうれしい。
在宅で介護するにせよ、施設で介護するにせよ、常に家族の窓口となるのはケアマネージャー(ケアマネ)です。ケアマネ次第で介護は大きく変わるとも言われています。
ケアマネージャーは、なんとなく知っていましたが、介護のキーパソンになる存在だ。
そんなことすら、知らなかった。
いいと思うケアマネが、いいと思う介護施設、いいと思うショートステイ、いいと思う福祉用具業者を、自然と呼び込んでくれます。
「いいと思うケアマネ」と出会うことが、次々にいいと思う介護の環境に結びつく。
しかし、そもそも「介護」を知らないと、何が「いい」のかもわからない。
自分が思う理想の「介護」を考えるところからスタートしたい。
ツールを活用して介護を楽にしよう
「介護」視点で、モノを見たことがほとんどなかったので、この本を読んで、「あ〜、これも高齢者にとっては有難い機能だったんだ〜」って気づきがたくさんあった。
「コミュニケーションロボット」の活用で、要介護の生活が活発になる
コミュニケーションロボットって、「こんなん意味あるんかな?」って思っていたけれど、今はすごく技術が発達している。
高齢者は、最初は乗り気でなくても、使えばロボットに愛着を持ち、生活の刺激のひとつになる。
ロボットはますます発達するでしょうし、価格も安くなりもっと身近なものになるだろうから、ロボットにも今から注目しておきたい。
「スマートリモコン」で電化製品を遠隔操作する
スマートリモコンも、便利なものと思っていたけれど、遠隔で操作できたり、電気・エアコンの消し忘れ等様々なところで、高齢者にとっても、家族にとっても安心できるものであることを知った。
「ドライブレコーダー」の機能は危険運転防止に役立つ
ドライブレコーダーにしても、事故があったときに録画するものだと思っていたけれど、今はいろんな機能がついている。
車線からはみだしたら教えてくれたり、前の車との車間距離が近くてぶつかりそうになると警告してくれたり、高齢者ドライバーの危険運転防止対策にもなることがわかった。
介護は誰のために行うのか?
自分がこの先の人生で、「もっと一緒にいてあげればよかった」「介護してあげたかった」と後悔したくないからです。後悔を引きずる人生にはしたくない、だから自分のための介護なのです。
他人のため、親のため、「〜のため」って思って行動すると、無意識に見返りを求めてしまったり、苦しくなってしまう。
しかし、「自分のため」と思って介護をすると、「介護」も変わってくる。
いざ自分がその立場になると、こころに余裕がなくなり、視野が狭くなってしまうと思うけど、「介護は自分のため」ということは忘れないようにしたい。
書評のまとめ「ムリなくできる親の介護」工藤広伸(著)
「介護」を考えることによって、自分の人生についても考えることができる。
人生は有限であることをつい忘れてしまう。
いのちに終わりがあるからこそ、「今」を大切にしようと意識できる。
「介護」はいつ自分もする立場に直面するかわからない。
その時の為にも、今から情報に耳を傾けるだけでも行っていきたい。
自分が大切な人に、少しでもしあわせな人生を歩んもらえるようにサポートできるように、準備できることはしておきたい。
そんなことを考える機会をもたせてくれる本だ。