「良い高校に入って、良い大学に入って、良い会社に入る。」
ぼくが学生のアルバイトの面接をしていると、いまだに多くが潜在的にこの考えだ。
親や学校の先生たちのその人たちの古い価値観をおしつけられ、学生たちはそういうもんだと思い込んでいる。
自分の人生の選択を「他人の価値観」のもと、選択をしてしまう。
いま、時代は大きく動いている。
「自分らしく」生きられる時代になってきた。
本日の読書は、社会に積極的に石を投げて、時代を動かそうとしている家入さんの本だ。
まさに、「いま」と「これから」の時代を教えてくれる教科書だ。
この記事の目次
本日の読書「なめらかなお金がめぐる社会。」
「なめらかなお金がめぐる社会。」CAMPFIRE 家入一真(著)
この本を選んだ理由→「家入一真さんの考えに触れたい」
クラウドファンディングといえば、CAMPFIRE。
最近話題のフレンドファンディングpolca
ネットで何か販売しようと思えば、無料でネットショップが作れるBASE。
上記のものはすべて著者の家入さんがつくってきたものだ。これだけに収まらず、新しい仕組みをどんどんつくって生きやすい社会をつくろうとしている。
家入さんの思考に触れたいと思ったので、この本を選択!
(CAMPFIRE)家入一真とは?
1978年生まれ。2001年株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)を創業。100万ユーザーを超える有料レンタルサーバー「ロリポップ」や数万店舗が利用するショップASP「カラーミーショップ」、国内で最大のブックレビューサービス「ブクログ」、ブログサービス「JUGEM」などを立ち上げ、2008年JASDAQに上場。paperboy&co.代表退任後、CAMPFIRE創業。代表に就任。他にも40社以上のスタートアップへの投資育成を行う「partyfactory」や、最大ECプラットフォーム「BASE」の創業取締役など。駆け込み寺リバ邸などの居場所づくりも行う。インターネットが大好きです。(CAMPFIREのHPより引用)
「なめらかなお金がめぐる社会。」ぼくが気になったところ(抜粋)
- 個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合っているコミュニティのことを、ぼくは「小さな経済圏」と呼びたい。
- 複業を持つとかノマドといった「働き方論」は今までだって散々語られているし、その答えだって、いくつかの正解が出ている感じがするけれど、そんな方法論だけをいくら深掘りしても海土町の生活に辿りつくことはない。
- なぜなら、「働き方論」はテクニックにすぎないからだ。
大切なのは「どんな生き方をしたいか」であり、それは「自分にとっての幸せとはどこにあるのか」を探るということだ。- CAMPFIREで掲げているミッションは「資金調達を民主化し、世の中のだれしもが声をあげられる世の中をつくる」こと。
- これから新しいビジネスを考えるときに「いつ、どこでマネタイズするか」をいうことに関しては、従来の常識を取っ払ってみると面白いかもしれない。有料だったものを無料にするとか、もらうのではなく払うとか、お客からの支払い先をあえて自分にしないとか、日本円でもらわないとか。そこにイノベーションを起こすアイデアが隠れている気がする。
- 僕は「結果の平等」よりも、「機会の平等」をより多くの人に提供したいと考えている。つまり、僕が目指しているのは資本主義そのもののアップデートだ。
社会に対してあきらめていたのは、ぼくだった。
僕は会社組織を否定したいわけではなくて、その仕組みによって生きづらさや働きづらさを感じる人にも居場所を作りたかっただけだ。
そういう人は結構いるし、言語化していないだけで違和感を持ち続けている人はさらに大勢いる。
もっと言えば、そうした現実と想いのギャップについて「それが大人になるってことだよ」というわかったような言葉でお茶を濁そうとする世の中の姿勢を僕は看過できなかった。
ぼくは、 まさに若いスタッフに「それが大人になるってことだよ」って言っていた。
「いろんな矛盾や理不尽なことが社会にあるってことを学ぶことは、我慢すること・耐えることだよ」って。
耐えることが社会に適応する為に必要なことであり、大人になるってことはそういうことに耐えるだけの忍耐力を身につけることだと、ぼくは思っていた。
この本を読んでわかった。
ぼくが、社会に対してあきらめていただけだった。
しかも、何も知らない若い人たちにその思考を無意識に植え付けようとさえしていた。
「いい社会」とは、各自が自由に自分の幸せを追求できる社会
幸せとは何かと考えたら「自分のやりたいことができる」ということなんじゃないか、と思う。だとすれば「いい社会」とは「各自が自由に、自分の幸せを追求できる社会」ということになる。つまり、経済的というよりも、精神的に持続可能な社会だ。
人は、何の為に勉強するのか?何の為に働くのか?何の為に夢を追いかけるのか?
そのこたえを追っていくと、最終的に辿り着くのが、
「幸せになるため」。
ぼくは、いつも「幸せ」について考える。
この家入さんの「幸せ」の定義は、ぼくも使っていきたい。
「世の中を良くしたい」って、ぼくも思う。
しかし、良い世の中って何なのか?
ぼくの頭にはあるけど、ポンっとは出てこない。
「いい社会」とは「各自が自由に、自分の幸せを追求できる社会」
この文章は、実にわかりやすくまとまった言葉だ。
幸せのかたちは、人それぞれ。そのことを各々が認めて、それぞれが追求できる社会。
ぼくは、この文章が「自分の幸せを感じることができる社会」ではなく、「自分の幸せを追求できる社会」にしてあるところが、さらにグッときた。
前者であれば、もうすでに到達してしまっていて、それで終わってしまう感じになってしまう。
後者は、幸せの本質をついている。幸せという目的にむかっている過程が、むかっている途中こそが、ぼくは「幸せ」であると思っている。
そのとき重要なことは、「自分の人生をどう生きたいのか?」という問いを持つことと、自分のやりたいことを一緒に実現してくれる仲間がいるか、ということ。
「幸せ」は追求していくもの。追求とは、追い求めること。
答えを追い求めるためには、どんな問いをするかがたいせつ。
「自分の人生をどう生きたいのか?」という問いを追い続けるうちに、どんどん答えもバージョンアップされていく。
もうひとつ、たいせつなことが仲間。
コミュニティを作ることが今は盛んになっている。
クラウドファンディング、フレンドファンディングにしろ参加者側にまわることにより、そこにコミュニティがうまれ、仲間ができる。
仲間をどのようにつくっていくかということも意識していきたい。
新しい生き方を考える上で欠かせないのは居場所だ。
なぜ僕がそういう場所にこだわるかというと、自分を肯定してくれる場所さえあれば、人はチャレンジすることに対する恐れが減るからだ。
チャレンジした先に自分の居場所が作れたらベストだけど、ダメでも帰ってこられる場所があることは、とても大事だと思う。
人は挑戦した数だけ成長できる。しかし、挑戦するためには、「変わりたい、成長したい」て前向きなこころがないと挑戦しようとすら思えない。
そのこころを養うのが、ここでいう居場所だ。
安心できる居場所があるから、人はおもいっきり挑戦ができる。
今の時代、人とのつながりが薄くなっていて、自分の居場所を守るのに必死な人たちがいる。
彼らはどんな居場所であれ、今の居場所を失うのがこわい。だから、そこから動かずずっと変わらない人たちになってしまう。
ぼくは飲食店をやっているが、アルバイトのスタッフは中には、お金を稼ぐために入った職場のはずが、目的がそこに自分の居場所をつくる為に変わっているスタッフもいる。良い意味の居場所と思ってもらえればありがたいが、昔にくらべ今は、安心できる居場所というよりも、依存する居場所を求める人が多い。特に家庭環境が複雑な人ほど、お店に依存できる居場所を求める。
安心できる居場所はつくりたいが、依存する居場所にしてはいけない。
その人が前に進めなくなってしまうから。
ぼくがつくるお店は、いつでも帰ってこれる安心できる居場所でありたい。
ここで育った人たちがいろんな場所に飛び立ち、たまに疲れたり、失敗した時に羽を休める場所でありたい。
安心できる居場所、帰ってこれる居場所があれば、挑戦ができる。挑戦するかぎり、人は成長できる。
ぼくもまた日々挑戦の連続だ。
【評価経済】「お金」から「信用」に変わる価値観
21世紀に入り、資本主義経済の主役であり続けた「お金」にとって代わる新しい貨幣が生まれている。それは信用力だ。
周囲からの評価や、周囲への影響力などが高いことが価値につながる経済圏を、評価経済と呼ぶ。
お金は大切である。
しかし、お金はもともとは、しあわせになる為の手段のひとつだったはず。
気がつけば、手段と目的が入れ違っていて、お金を稼ぐことが目的になって過ごしている人が多い。
また、自分もそうだが「お金」から抜け出せずに、お金にとらわれてしまっている人も多い。
そんな中、時代は動いている。
「お金」という貨幣から、「信用」に価値が動いている。
CAMPFIREのクラウドファンディングも、polcaのフレンドファンディングもまさに「信用」が問われている。
「信用」があれば、お金も人も集まってくる。
これからの時代を生きていくなかで、「信用」をつくることが、自分のしたいことへの扉をひらく大きなヒントになる。
【小さな経済圏】目の前に大切なものに気づかずに、遠くを見てしまいがち。
「小さな経済圏」を模索するときにいつも思うのは、人にとっての幸せの源は実は身近なところにあるのに、多くの人はそれに気づいていないこと。
「東京に出ないと」「大学に行かないと」「正社員にならないと」「みんなに好かれないと」とか、世界の価値基準みたいなものに囚われすぎると、実は自ら作り出した理想と現実のギャップによって苦しんでいる。
でも、実は自分のすぐまわりに自分を認めてくれている人がいてくれたり、大切なものがすぐ目の前があるのに、遠くばかりみていて気づかないことって、本当に多い。
ぼくもつい遠くを見てしまう。
著者もあとがきにかいてあるが、幸せに正解はない。
この本によって、ぼくの「幸せ」の形がひろがった。
まとめ「なめらかなお金がめぐる社会。」
有名だからできる。能力があるからできる。お金があるからできる。
今は、それがなくてもできる時代になりつつある。
それが「小さな経済圏」だ。
ただ、それも選択肢のひとつでしかない。
人は誰しも「自分らしく」生きられる時代になってきた。
その中で、あなたはどのような人生の選択をしますか。
ぼく自身、じぶんの未来がたのしみになった。
オススメ度★★★★★
もっと家入さんを知りたい人にオススメ!
家入さんの成功から転落が書かれた本。家入さんを好きになってしまう本