うちのお店は、客単価800円くらいのラーメン屋。
17:00
そこに来ていただいた無表情のサラリーマン30代くらいの男性のお客様。
ラーメン(680円)と瓶ビール(500円)をご注文頂きました。
いつも通り商品を提供させていただきました。
すると、
1分後、
「ガチャン」という音とともに、
瓶ビールの3分の1くらいが入ったグラスを倒されてしまった。
すぐに拭かせていただいて、お客様からも「申し訳ないです」とそれで終わった。
ラーメン屋で飲むビール
ぼくの中で、
なんかモヤモヤする。。。。
仕事帰りに疲れて、たまたま入ったラーメン屋で、「一杯飲むかぁ」と仕事終わりのたのしみにしていたビール。
それをこぼしてしまい、楽しみにしていたビールが半分くらいになってしまった。。。
たのしむ為に入っていただいたお店で、逆にマイナスな気分になって帰らせてしまう。
ぼくが
勝手に妄想していると、
ぼくが気持ち悪くなってきた。
だから、
お客様にこっそり「もう一本よかったらどうぞ」
って、
サービスで一本出させていただいた。
お客様はご遠慮気味に申し訳ないですって感じながらも、今まで無表情だった顔が、その仮面がはがれ、感情をあらわした表情に変わった。
ぼくとお客様の間に、なにかつながりができた瞬間だった。
帰り際に、
申し訳ないのでって、
お客様は500円を置いていかれた。
受け取れないですってお伝えさせていただいたけど、お客様は置いていかれた。
ぼくが感じたこと
結局、相手に余計な気を遣わせてしまったという事実もあるけど、ぼくが一番感じたことは、
その方が、義理を通されたということ。
ぼくは、そこに感動した。
たまたま入った全く関係のないラーメン屋で、ビールをこぼしたけど、一本タダでもらえて、今日はツイてるなぁ
って、ぼくだったら終わってそう。
でも、その男性は、義理を通して、きっちり500円を置いていかれた。
義理をとおす
そのお客様は、もしかしたらたった一度きりのご来店で、次はご来店されないお客様なのかもしれない。
もしかしたら、ぼくと出逢うのはこれが最初で最後なのかもしれない。
そんなご縁ですら、そのお客様はたいせつにされ、義理を通された。
最初、入店されたときは、
大変失礼ですが、「無表情のサラリーマンの方が来たなぁ」程度の認識しかなく、ぼくの『こころ』がそこに向いていなかったことが恥ずかしい。
その方のふるまいがうつくしかった。
大きな学びとなった。
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