本書は「マーケティング戦略の『マ』の字」を解説する本です。
と、書いてあるくらいのマーケティング戦略の入門書!
イラストも多く、マーケティングを学ぼうと思う人が読みやすい本だ。
ハーゲンダッツがなぜ売れているのかなど、身近な話が書いてあるので、自分ごととして捉えやすい。
この記事の目次
本日の読書「お客さまには『うれしさ』を売りなさい」佐藤義典
著者:佐藤義典さんとは
マーケティングコンサルティング会社、ストラテジー&タクティクス株式会社 代表取締役社長。経営者を主な対象にしたマーケティング戦略~実行のコンサルティングを行う。
ぼくは、著書「ドリルを売るには穴を売れ」 を読んで、佐藤義典さんのファンになった。
初心者にもわかりやすい「マーケティングとは」
- 私たちの日常の買い物が、実は「マーケティング」そのものなのです。
- マーケティングとは、お客さまに「うれしさ」を提供して対価を得ること
「マーケティング」のことばの説明として、実にわかりやすい。
初心者にとっては、自分ごととしてパッとイメージしやすい表現。
買い手にとって当たり前のことが、売り手になるとまったくわからない
マーケティングは「私たちの日常生活の一部」であるはずなのに、なぜわざわざこのような本で学ばなければならないのでしょうか?
それは、買い手(お客様)にとっては当たり前のことが、売り手になるとまったくわからなくなるからです。
ぼくは飲食業ではたらいているが、
自分がお客さまの立場でいろんなお店やサービスを受ける側だといろいろ気がつくことが、いざ自分がお店をつくる側になると、とたんに見えなくなってしまう。
商品をつくるとき、広告をつくるとき、接客をするとき、視点が売り手側からしか考えなくなってしまう。
マーケティングの極意お客さまにとっての「商品・サービス」は、何らかの「うれしさ」を手にいれるための手段なのです。お客さまは、「商品・サービスを使うとき」がうれしいとき。
「使うとき」(=うれしいとき)は作り手・売り手には見えません。
私の経験上、お客さまの「うれしさ」「うれしいとき」をきちんと把握できている会社は意外に少ないものです。
お客さまが「使うとき」が、作り手・売り手には見えないってところが、マーケティングを知るうえでのヒントだ。
お客さまは「商品・サービスを買う」ことが目的ではなく、「商品・サービスを使う」ときに「うれしさ」を感じることが目的だ。
お客さまが「買う」ときは、まだ通過点であって、ゴールではない。
売る側が目的を「商品・サービスを売る」ことにしてしまうと、お客さまの目的とズレてしまう。その結果、売れなくなる。
「商品サービスの利用価値」
=「お客さまが商品・サービスを使ってうれしいとき」
=「お客さまが商品・サービスの価値を感じる瞬間」ややこしいのは、商品・サービスが提供する「利用場面」が無数にあり得ることです。
下記の美容院の例は、わかりやすい。
たとえば、美容院に行って「うれしいとき」
- 朝のセットがラクになった
- 夕方になっても髪型が崩れず、ずっと自分の思い通りの髪型が続く
- 気になるあの人に「その髪型、似合うね」とほめられた
美容院って、髪をカットしてもらえて、新しいじぶんになれた時もうれしいけど、その後も「うれしいとき」はたくさん訪れる。
「うれしいとき」を見落としている売り方をしている業種や業界に、ビジネスチャンスがある。
「うれしさ」をグループ分けする
「うれしさ」にもいろんな種類に分類ができる。
人によって求めるうれしさが変わるので、うれしさに応じて分けて対応する必要があります。お客さまをグループ分けすることを、「セグメンテーション」や「顧客セグメンテーション」と呼びます。そして、分けたひ一つひとつのグループを「セグメント」や「顧客セグメント」と呼びます。
感覚でわかっていても、論理的に説明することが難しいので、わかりやすいことばで説明してくれているのがありがたい。
「うれしさの分け方」をみて、『あ〜、確かに〜』と納得!!
お客さまは「自分に向けた商品」が欲しい
「すべての皆さん!」と呼びかけると、誰にも気づいてもらえません。「スマホをお使いのあなた!」と絞って呼びかけることで、お客さまに振り向いてもらえるのです。顧客数の絶対数の多い少ないではなく、「振り向いてもらえる顧客数」の多い少ないで売上が決まるのです。
お客さまは「自分に向けた商品」が欲しい。
これも勉強になった!!
より多くの人に呼びかけたいので「すべての皆さん」って呼びかけてしまう。
これはビジネスだけではなく、普段の生活の中でも起こっていること。
自分のコミュニティの中で、呼びかけるときにも活かしたい。
「すべての皆さん」だと他人ゴトになってしまう。
書評まとめ「お客さまには『うれしさ』を売りなさい」
内容は、入門者向けに書かれているけれど、「知識が少ない人でも理解できる言葉や表現のしかた」が勉強になった。
シンプルにわかりやすく表現することほど、難しいことはない。
入門者・初心者が、「マーケティングとは」から学び、そのレベルだけにとどまるのではなく、マーケティングの本質まで学ぶ入り口まで連れていってくれるのがこの本だ。
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