経営の目的は「みんなが幸せになること」→「『いい会社』ってどんな会社ですか?」伊那食品工業 塚越寛著

ぼくは働いていて、会社の目的が「利益の追求」であるということにずっと違和感があった。

でも、そういうものだと思うように、自分の気持ちにフタをしていた。

 

そんな時にサイボウズの青野さんの本に出会って、伊那食品工業の塚越さんを知った。

ぼくの感じていたことが鮮明になった。

本日の読書「『いい会社』ってどんな会社ですか?」

 

「いい会社」ってどんな会社ですか?社員の幸せについて語り合おう 伊那食品工業会長 塚越 寛 著

著者:伊那食品工業 塚越 寛

伊那食品工業とは、長野県にある国内No.1の寒天メーカー。かんてんパパで有名な会社。

トヨタ自動車や帝人など、日本を代表する企業の経営幹部たちが足しげく視察に通う企業。

 

「いい会社をつくりましょう」

著書『いい会社をつくりましょう』を読んで、ぼくは「経営」に対して大きな衝撃を受けた。

 

「企業は数字がすべて」というビジネスの世界で、

塚越さんは、「売上や利益といった数字を追求せず、『いい会社をつくりたい』という一点を目標にしている」の想いで会社を経営し、その結果、設立から48期連続で増収増益を計上した驚異的な成長を成し遂げた。

 

ぼくは、「数字」や「利益」は大切なのはわかっているが、経営している中ですごく違和感を感じることが多くなってきた。そのときに出会ったのがこの「いい会社をつくりましょう」という本だ。

 

本を読んで、自分の感じていた違和感の正体がわかった。

この本を選んだ理由

ぼくが去年読んだ本の中で、飛び抜けて心が動いた本が、

 グループウェアのクラウドサービス「サイボウズ Officeを開発している会社の社長の本だ。

ぼくがちょうど企業理念や経営について、考えている時に読んで、上場企業であるサイボウズがある考えで実績をつくられていると感動した。

その考えとは、

「サイボウズは売上や利益の最大化を目指しません。優れたグループウェアを作り、世界中のチームーク向上を実現することにこだわります。」という企業ではありえない考えを株主総会で発表したのだ。

 

ぼくはびっくりした。

 

 

ぼくも、「売上・利益は手段であって、目的ではない」と考えていて、いろんな社長さんたちと話がいつも全く噛み合わない。

もちろん、ぼくには実績がないので話に説得力がない。

 

ただ、毎日する仕事で利益を追求することを目的をすることが苦しかった。

 

サイボウズの青野さんは、そのことを堂々と宣言されていた。

 

本日の「『いい会社』ってどんな会社ですか?」は、伊那工業の塚越さんとサイボウズの青野さんの対談がのっているということで、読まずにはいられません。

ぼくが気になったところ(※抜粋)

 

  • この会社の目的は、みんなが幸せになること。だから、当社は経費削減という言葉は使わない。その代わり、社員に「快適になる提案をしなさいよ」 と言います。
  • 利益は残ったウンチにすぎない
  • いいウンチが出るのが体が健康な証拠でもある。
  • よく考えてみると、社員がこの会社に入ってきたのは利益を生みたいからではなく、幸せになるためです。
  • ベースラインとして、人が幸せになるという経営の目的があります。それをどのような言葉で表現するかが経営理念だと思うんですよ。
  • 目的と目標を履き違えるという意味では、顧客第一主義を経営に掲げるのは、どうなのかなと思います。それはやはり目標であって、目的でありません。
  • サイボウズは「世界一使われるグループウェアメーカーになる」という経営理念
    もしほかの会社を蹴落としてまで世界一になるという意味に解釈されるのであれば、取り下げたほうがいいと考えています。
  • 一番になる必要はなくて、一流になればいいのです。一流は何社あってもいい。同じ業界に属していても、極めるものが異なれば並存することができるからです。でも、一番は一社しか存在し得ない。だから、結局、誰かを蹴落とさなければならなくなる。そうすると、軋轢が生まれてうまくいかなくなる。
  • 会社の目的を実現するには、会社が倒産せずに永続しなければなりません。会社を永続させる手段として初めて利益が必要になるのです。
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伊那食品工業:塚越寛「経営の目的は、社員を幸せにすること」

経営の目的は何だと思いますか。「利益の追求」と答える人がいますが、これは誤りです。正解は、「社員を幸せにし、社会に貢献すること」です。利益をだすのは、社員を幸せにするための手段にすぎません。どうも目的と手段を履き違えている人が多いと、私は感じています。

ビジネスの世界にいると、数字を問われることが多い。

むしろ、数字がすべてだと言われてしまう。

その数字によって、人の対応が変わってしまう。心に思っているコトと、口に出しているコトが全然違う人を見ると苦しくなってしまう。

 

そのモヤモヤの中にいた時に、「経営の目的は、利益の追求ではなく、社員をしあわせにすること」だという言葉を見つけて、ぼくは救われた。

 

 

経営の目的は、社員を幸せにするためにある。もう少し踏み込んで言えば、社員を幸せにすることを通じて地域や社会に貢献すること

「社員の幸せ」が最初であり、もっと言うとその先に「地域や社会に貢献すること」である。その順番も、ぼくは大切にしたい。

自分たちが幸せになって、はじめて他人を幸せにできる。この逆はありえない。

 

お金はもちろん大切だが、所詮手段にしか過ぎない。

 

ぼくは、この塚越さん・青野さんのお考えに深く共感するし、もっと学びたい。

サイボウズ:青野慶久「会社より事業を守るべき」

 

 これはサイボウズの青野さんのお考え。実績がないので仮説でしかなかったぼくの考えが、青野さんが力強く語られているのを読んで勇気がもらえた。

理念を実現したら会社は解散してもいいと思っている。ただし、みんなが路頭に迷ってはいけないので、自立したスキルを身に付けて次の道を進む。

私は、会社と事業を分けて考えています。株式会社というのは所詮、つい400年ほど前に人間がつくった仕組みですよね。一方、事業というのは、会社という形態ができるもっと前、人が集まって仕事をするところから始まっている。その仕事のスケールが大きくなって事業と呼ばれるに至った。事業を進めるうえで、会社という形態が効率的だから、今はそれが普及している。

それならば、経営者が責任をもつべきは事業に対してであって、会社にではないのではないかと感じたのです。  

 会社は、形であって、大切なのは事業。
究極をいえば、会社を存続させることが目的になってしまったら、ズレてしまう。
たとえ、事業を存続させる為に会社を解散させることがあっても、ぼくはそれでいい。
 
その時に、事業を存続させる為に、勇気をもって会社を解散させるだけの勇気と決断力は身に付けておきたい。

 

経営理念や会社のありかたを考える時に、この本を手にとって考えたくなる。

そんな本だ。

 

塚越さんの著書「いい会社をつくりましょう」と青野さんの著書「チームのことだけ、考えた」もあわせて読むことをオススメ。資本主義のこの世界でも、お金ではなく「幸せ」の追求をできることがわかる。

ぼく
塚越さんの本「いい会社をつくりましょう」「年輪経営」に感銘を受けた人は、この本でさらに新しい発見ができる。全ての会社に年輪経営はあてはまらないと語られていることが、僕は伊那食品工業の経営理論がより好きになった。

 

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